損益計算書 (PL)の見方
それではここで練習問題です
図をご覧ください
b 社の PLから問題のある利益区分をあげてみてください
ポイントは前年と比較することです
それでは答えを見ていきましょう
上から順番に利益率の変化を追っていくとまず
売上総利益率 粗利率が3.9%も減っていることが分かります
事業環境に大きな変化がない限り
基本的に粗利率は大きく変動することはありません。
内部もしくは外部環境上
何らかの問題が発生している可能性があることがわかります
なお粗利率が何パーセント変動していると危険なのかなど
基準値にこだわりすぎると異変を見逃す危険性があります
ですからたとえ
1%の変動であっても原因を追求するという姿勢をとりましょう
次に販売費及び一般管理費
略して販管費と呼びますが
販管費は増えているのがわかります
売上が増えているため販管費が増えるのも当然ですが
適正な増え方をしているかどうかは金額だけでは判断できません
このような時には率、
つまり販管費率に着目しましょう
売上に占める割合が0.5%減少していますから
第36期の販管費は金額が増えていたとしても
実質的に伸びを抑えていたことがわかります
結局b 社で問題があると思われるのは粗利ということになりますが
このように過去と比較することで問題点を発見しやすくなります
過去と比較することで
問題点は発見しやすくなります。
b 社の赤字の原因は粗利率低下という大雑把なレベルまでしか分かりません
ある意味これが 損益計算書 の限界でもあります
さらに経営改善のヒントをつかみやすくするためには
部門別の損益計算書 すなわち区分会計を作成することが重要になってきます