多くの経営者や事業主の方々が、決算書の理解に苦労しています。
簿記の知識がなくても大丈夫。今回は、貸借対照表と損益計算書の見方について、わかりやすく説明し、具体的な事例を通じて理解を深めていきます。
貸借対照表の見方
貸借対照表は、会社の「資産」と「負債」、「純資産」の状況を示す重要な書類です。
「固定資産」とは、長期にわたって利用される資産で、その取得には大きな投資が必要ですが、急な現金化は難しい特性を持っています。
例えば、固定資産にかかる資金を1年以内に返済しようとすると、資金繰りに無理が生じる可能性があります。
一方で、「流動資産」と「流動負債」のバランスも見ることは重要です。流動資産は比較的短期間で現金化できる資産で、流動負債は1年以内に返済が必要な負債です。
この2つを比較することで、短期的な経営の健全性を確認できます。
貸借対照表の変化を読み解く
前期と今期の貸借対照表を比較することで、財務状況の変化を読み解くことができます。
資産や負債の増減を追跡し、その原因を考察することで、経営上の課題や機会を見つけることが可能です。
損益計算書の見方
損益計算書は、一定期間における会社の「収益」と「費用」を示し、最終的な「利益」を計算する書類です。
「経常利益」がプラスであることは、会社の健全性を示す重要な指標です。マイナスである場合は、経営の持続性に問題がある可能性を示唆します。
「営業利益」もまた重要で、これがプラスであれば、本業からの収益が健全であることを意味します。
具体的な事例を通じて理解を深める
ある会社の損益計算書では、経常利益が355万円と計上されていましたが、貸借対照表を見ると現金や預金の減少、短期借入金の増加が見られ、資金繰りの問題が明らかになります。
このように、決算書の数字を総合的に見ることで、会社の真の財務状況を把握することができます。
結びに
決算書は、一見難しそうに感じるかもしれませんが、基本的なポイントを押さえることで、会社の財務状況を理解する強力なツールとなります。
この記事が、決算書を読み解く手助けとなり、より良い経営判断の基礎となれば幸いです。