損益計算書について、今回は部門別データについて解説していきます
売上総利益を部門別に把握できるようなデータを作成しました
この部門別データから最も粗利率を押し下げている部門を探し出してみてください
答えは最も粗利率の減少割合が大きい
衣料部門ということになります
問題なのは売上高を伸ばしていながら
粗利率が半減していることです
売り上げを伸ばすことだけに目を奪われ過度な値引き販売によって
無理やり目標を達成させた可能性があるのです
値引き販売に依存しすぎると需要を先食いする危険性がありますし
安売りのイメージが定着してしまうと高価格帯の商品を
売ることも難しくなります
もちろん売上は重要なのですがどれだけ売り上げを増やしても
肝心の利益が減ってしまったのでは労多くして益少なし、
ということになってしまいますので
利益重視の共通認識を持つ必要があります
一方で惣菜部門を見ると粗利率と売上高の伸び率が
4部門中トップになっていますよね
これは b 社においてもっとも成長の期待できる部門であるといいます
もし今まで積極的に投資を行っていなかったのであれば
新たに人やモノ、金を投入することでさらなる伸びも期待できます
このように部門別会計は問題点だけでなく
自社の強みまで把握しやすくなるというメリットもあるのです
ここまで率を中心に見てきました
率を見ることは重要ですが率ばかりを重視してもいけないんです
酒類部門を見てください
粗利率は0.7%改善していますので問題がないように見えます
しかし売り上げが減ったことで粗利額は減少しています
せっかく利益率が増えても肝心の利益額が減ってしまったのでは
給与支払いや借金返済に支障をきたしてしまうんですね。