今回は危険な状態のキャッシュフロー計算書の読み方について説明します
体力減衰企業のケース
続いて体力減衰企業のケースです
営業活動が▲100万円
投資活動は+50万円となっており
フリーキャッシュフローは▲50万円となっています
財務活動では40万円しか調達できておらず
最終的にキャッシュは10万円減少しています
ここで注意すべきケースとしては
利益が出ているのに営業活動がマイナスとなっているような場合です
利益は出ているし10万円程度のキャッシュ件であれば問題ない
と感じてしまうかもしれませんが
営業活動がマイナスということは
売れない在庫や回収困難の売掛金を抱えている可能性が高く
資金繰り悪化に加え現場が荒れている可能性も考えられます
さらに換金ができる財産がなくなり
借入金調達にまで失敗するようなことになれば
資金ショートの危険性もありますので早急な改善策が必要となります
借入返済が困難なケース
最後に借入返済が困難なケースを見ていきましょう
営業活動が+100万円
投資活動は+20万円
そしてフリーキャッシュフローは+120万円となっていますが
財務活動で▲300万円の借金を返済したためにキャッシュは180万円減少しています
借入金はフリーキャッシュフローの範囲内でしか返せませんので
120万のフリーキャッシュフローでは300万円もの借入金を返済することはできません
しかもフリーキャッシュフローのうちに10万円は投資活動の換金化によって
生み出されたものであり
すでに換金化できる財産が存在しないと仮定すれば
来季以降の返済原資は営業活動の100万円だけとなりますので
どう考えても返済を続けるとはできません
このような場合連帯保証人を増やしたり
金利の高い借金に手を出してまで返済を続けようとする経営者がいますが
キャッシュフロー計算書を見れば
そもそも借金を返済できる状況にはないのですから返済額を減らすしかありません
具体的な方法としては
借り換えによって返済期間を長くし毎月の返済額を減額する方法がありますが
難易度は高いとも言えます
借り換えが難しいのであれば最終手段としてリスケジュールにより
返済額を減額、もしくは返済を猶予してもらう交渉に臨む必要があります